読者が選ぶ「日刊バトル大賞」のプロレス部門MVPは、今年2月に史上2番目の若さの24歳3カ月でIWGPヘビー級王者となり、8月のG1クライマックスで史上最年少で初出場初優勝を果たした、新日本のオカダ・カズチカ(25)が受賞した。併せて殊勲賞、ベストバウトも受賞して、3冠に輝いた。

 「別に普通のことですよね」。圧倒的な支持を、オカダは当然のことと、クールにほほ笑んだ。

 今年の1・4東京ドーム大会。11度目の防衛を果たしたIWGP王者棚橋の前に現れ、挑戦を表明した。2年間の米国修業を積んだとはいえ、実績ゼロでの無謀な挑戦表明に会場は、戸惑いとブーイングに包まれた。

 だが、2・12大阪大会でベストバウトに選ばれた戦いを繰り広げて戴冠。191センチの長身、甘いマスクにクールな振る舞い。そして、ドロップキック、関節技から必殺のレインメーカー(短距離式ラリアット)へとつなぐシンプルで迫力満点の試合内容。若い世代を新日本の会場へと呼び寄せた。「あのドームで俺にブーイングを浴びせた人たちが、手のひらを返した。自分は当たり前のことをしてきた、当たり前の結果だ」と言い切る。

 2週間後の1・4東京ドーム大会で、再び棚橋を下し2度目のIWGP戴冠を狙う。

 「時代を変える。今年1年は、プロレスファンの心に響いただけ。来年は一般の人にもオカダ・カズチカを、そしてプロレスを響かせる。そのスタートが東京ドームだ」とさらなる高みを望んでいる。【小谷野俊哉】

 ◆オカダ・カズチカ

 1987年(昭62)11月8日、愛知県安城市生まれ。03年4月闘龍門に入門。04年8月29日にメキシコ・アレナコリセオでネグロ・ナバーロ戦でデビュー。同年12月ヤングドラゴン杯優勝。07年7月新日本入門、08年4月12日石狩太一戦でデビュー。10年TNA参戦。得意技はレインメーカー、墓石式脳天くい打ち、ドロップキック。191センチ、107キロ。<日刊バトル大賞プロレス部門>MVP

 オカダ・カズチカ殊勲賞

 オカダ・カズチカ

 〃

 

 K・アンダーソン敢闘賞

 永田裕志技能賞

 中邑真輔タッグ

 大森、征矢最高試合

 オカダ-棚橋※最高試合は2月12日