<ノア:ノアフルギフト・イン・ディファ2012vol.1>◇23日◇東京・ディファ有明◇8試合◇1800人

 今年いっぱいでノアを退団する秋山準(43)と、丸藤正道(33)のシングル対決は21分40秒、秋山が前方首絞めでレフェリーストップ勝ちした。リストクラッチ式エクスプロイダーから、首を強引にきめて絞め落とした。

 ノア12年半の思いを込めて、秋山が丸藤の首を絞めあげた。丸藤が意識を失い、レフェリーが試合を止めて秋山に勝利を告げた。

 秋山は意識もうろうとして座り込む丸藤の前に腰をおろし「頑張ってくれ」と告げ、握手を交わした。リングを出ると深々と礼。丸藤もリングに頭をつけて応えた。

 今年3月18日の横浜大会、GHCタッグ王座を防衛した秋山は「ノアをもう1度、旗揚げ当時の勢いのある、気持ちのある団体に戻す」と改革の先頭に立つことを宣言した。だが、その思いは成就することなく退団が決定した。「何もできなかった。申し訳ない」と振り返った。

 その秋山の批判を真正面から受け止めてきたのが、取締役副社長の丸藤だった。秋山は「あいつの天性は明るい人間なんだ。今のポジションになってから暗くなった。俺らがバックアップできなかった。リングに集中できる環境をつくってほしい」と口にした。

 今日24日の有明大会では恒例の覆面、ミスター・クリスマスに変身して戦う。「今日が最後の秋山準。最後が丸藤で良かった。小橋さんも引退するし、新しい時代のタイミング」と秋山。丸藤は「あの人に体で思いを伝えられた。勝ち逃げは許さないよ」とメッセージを送った。【小谷野俊哉】