ボクシングで高校生初のアマ7冠を達成した井上尚弥(19=大橋)が12日、東洋太平洋ライトフライ級新王者の小野心(30=ワタナベ)に挑戦状を出した。同日、東京・後楽園ホールで開催された同王座決定戦で同級2位オマリ・キムウェリ(30=オーストラリア)に判定勝ちした小野に対し、大橋ジムの大橋秀行会長(47)が井上の挑戦状を提出したことを明かした。正式決定すれば井上にとってプロ3戦目でのタイトル初挑戦となりそうだ。

 大橋会長は「井上は異例ずくめですから。強い相手と対戦させたい」とタイトル戦実現に意欲満々。井上は今月5日にタイのライトフライ級王者ガオフラチャーン・チューワッタナ(35)に1回KO勝ちしたばかりだが、この日も練習を優先。同王座決定戦は観戦しなかったが、大橋会長は「タイトルも世界ランキングもほしい」と代弁した。

 井上に挑戦状を送られた新王者の小野は「自分だけでは決められない。会長と話して(対戦を)決めます」とだけ話した。所属ジム渡辺均会長(63)は「小野の次戦は指名試合が義務づけられている。井上選手と対戦するならその次になるでしょう」との見通しを口にした。【藤中栄二】