<UFCリターンズ(2)>

 UFCは400人近く契約するファイターに対し、アスリート性とエンターテインメント性を強化、育成する体制を敷く。UFC参戦7年目の岡見勇信(31=和術慧舟会東京道場)が、同団体による選手へのサポート面を解説した。

 ◆1.ファイターサミット

 契約選手が一堂に会し、1日5時間の講義を受ける機会がある。岡見によれば(1)禁止薬物の対策(2)暴力団対策(3)減量-など選手周辺に関わる重要な知識を専門家の講師を招いて、説明される。またUFCのロレンゾ・フェティータ会長兼CEO(43)、デイナ・ホワイト社長(43)との会食もあり、自由な意見交換もできる。

 ◆2.エンターテインメント

 同サミットではインターネットを駆使した選手自身の売り込み方の講義もある。「フェイスブックやツイッターは米国では当たり前。講義ではツイッターの効果を1時間、みっちり説明されました」と岡見。ツイッターのフォロワー数がもっとも多い選手や四半期で一番、フォロワー数を伸ばした選手らに1万ドル(約90万円)、2位も5000ドル(約45万円)を支給する。

 ◆3.保険制度

 11年6月からUFCは契約する全選手の保険制度を開始。費用はすべてUFC持ちで、1人当たり10万ドル(約900万円)の保険。試合だけでなく、試合前の負傷も対象で、年間の給付金は最大で5万ドル(約450万円)。個人事業主の選手にとっては安心して戦えるサポートだ。岡見も「デイナ(社長)も画期的なものと強調していた。ありがたいもの」。

 生存競争が激しく、厳しい舞台となるUFCだが、選手を支えるサポートは充実している。【取材・構成=藤中栄二】

 ◆UFC(アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ)ブラジルで行われていた何でもありの格闘技「バーリ・トゥード」をモデルに、93年11月に米デンバーで第1回大会が開催。日本でも97~00年に計4回行われた。01年からズッファ社が運営。ヘビー級からフライ級までの8階級制。女子もバンタム級を設立。試合は5分3回戦で、タイトル戦とメーンは5分5回戦。採点はジャッジ3人。決着はKO、1本、判定。急所攻撃、頭突き、髪を引っ張る行為、背骨や後頭部、のどへの打撃、上から打ち下ろすひじ打ち、グラウンド状態の相手頭部へのキックや膝蹴りなどは禁止。選手はオープンフィンガーグローブとトランクスのみ着用可。

 ◆テレビ放送

 WOWOWプライムで3月3日正午から生中継。