<総合格闘技:UFC

 JAPAN

 2013>◇3日◇さいたまスーパーアリーナ

 日本のエースが世界の頂点へ大きく前進した。UFCミドル級ランク4位の岡見勇信(31=和術慧舟会東京道場)は同8位ヘクター・ロンバート(キューバ)を2-1の判定で破った。日本大会初勝利でUFC通算13勝目。11年8月以来、2度目のタイトル挑戦を視野に入れた。

 勝利の判定を聞くと、得意の「侍パフォーマンス」で喜びを表現した。3人のレフェリーが1ポイント差の2-1の判定勝利。昨年2月の日本大会ではティム・ボウシュにまさかの逆転TKO負けを喫した。「去年悲しませた人たちに恩返しができた」と「日本初勝利」に笑顔をみせた。

 開始から2回までは片足タックルを有効に使って優位に進めた。だが、最終3回にKO狙いのロンバートの猛攻でピンチに陥る。昨年も同様の展開で逆転KOされただけに、一瞬悪夢がよぎった。「今年も負けたら、日本ではずっと勝てないと思った」。UFC日本人最多勝利者の意地とプライドで、相手の反撃に耐えた。

 2度目のタイトル挑戦で、日本人初のUFC王者が期待される。「目指すところはタイトルだが、その前に戦う選手がいる」と同2位ベウフォート、3位ビスピンら強敵の名を挙げた。派手さはなくとも地道に勝利を積み重ねたUFC人生の通り、1歩1歩頂点へ歩んでいく。【田口潤】