WBA世界バンタム級王者の亀田興毅(26=亀田)が、マラソン選手並みの「スポーツ心臓」を手に入れた。今月7日、大阪・ボディメーカーコロシアムで同級8位パノムルンレック・カイヤンハーダオジム(29=タイ)との6度目の防衛戦を控え、4日に都内で予備検診に臨んだ。世界戦の検診では、興毅にとって一番低い数字となる38の心拍数をマーク。1年前から鍛え始めた持久力がアップしていることが証明された。

 今年2月、体幹トレとフィジカルの指導を受ける松栄勲トレーナーと大阪で約1週間の強化合宿を消化した。ほぼインターバルなしで、400メートルダッシュなどのメニューを1日3時間ほどこなすハード練習だったという。マラソンなどの長距離走選手や自転車選手など持久力を必要とするアスリートは40前後の低い心拍数とされる。ついに30台の心拍数をはじきだした興毅は「なんぼでも戦えるスタミナはできてきたかな」と自信に満ちた笑顔をみせた。

 今日5日、故郷の大阪に移動する。春を意識し、調印式や計量などで着用するジャージーをはじめ、試合入場時のガウンやトランクスを桜カラーのピンクで統一したことも明かした。「ピンクというより桜のイメージ。桜の季節やし、春らしく、スカッと勝ちたいな」。

 挑戦者の最新試合映像もチェックし「スピードがなかった。オレはスピードマックスでいく。いい勝負ではあかん。力の差をみせつけて圧勝や」と自らを鼓舞していた。【藤中栄二】