家族のためにも、12年分の憂さを晴らす。8日のトリプル世界戦(東京・両国国技館)で2階級制覇を狙うWBC世界バンタム級1位マルコム・ツニャカオ(35=真正)が、4日に都内のジムで公開練習。ミット打ちなどで自慢のスピードを披露した。王者は左の強打者山中慎介(30=帝拳)だが「もっと強い長谷川と練習してきたので問題ない。KOを狙っていく」と自信を見せた。

 00年にWBCフライ級王座を獲得も、1度防衛後の翌年陥落した。再挑戦のチャンスがなく、07年には引退。そこへ長谷川のパートナーとして声が掛かった。10年にはフィリピンにグレース夫人と3人の子どもを残し、真正ジムへ移籍した。トレーナーも務め、ジムの2階の6畳間で生活し、帰国も年に1、2度。「学費も稼がないと。12年かかった夢をかなえてみせる」と決意を口にした。