WBA世界スーパーフェザー級王者・内山高志(33=ワタナベ)が、日本人初のスーパー王者に昇格する見通しとなった。6日に挑戦者の同級9位ハイデル・パーラ(30=ベネズエラ)に5回KO勝ちし7度目の防衛に成功。これを受け、WBAは6日(日本時間7日)に公式ウェブサイトでスーパー王者に認定すると発表した。2度も暫定王者との統一戦を制し、V7防衛を成功させたことが評価された。

 スーパー王者は世界主要4団体のうち、WBAが認定する特別な王座。過去には複数団体統一王者や5~10回の防衛に成功した正規王者に、スーパーベルトが贈られてきた。V7防衛を成功した内山の認定は不思議ではないが、所属ジムの渡辺均会長は「WBAから正式な連絡は来ていない。非常にありがたい話だが、スーパー王座を受けるかどうかは連絡が来てから」と慎重な姿勢を貫いた。

 WBAはスーパー王者が誕生すると、正規王者の決定戦を開催する。WBA世界スーパーフェザー級に、スーパーと正規の2王者が存在する形になる。渡辺会長は「内山の王者としての地位を保てるならば、WBAのルールに従う。日本ボクシングコミッションを通じ、WBAのルールを把握してから考えたい」と説明した。V7防衛から一夜明け、7日に所属ジムで会見に臨んだ内山は「もっと強くなれればうれしい。自分はいつも目の前の試合のことしか考えられない」と、早くも今秋予定のV8戦を意識していた。【藤中栄二】

 ◆ボクシングの特別王座

 スーパー王座は、WBAが01年1月に創設。当初は他団体(WBC、WBO、IBF)の王座を同時に保持する正規王者をスーパー王者に昇格させ、新たな正規王者を決定戦で誕生させた。その後、王座を5~10回連続で防衛した正規王者を認定する規約もつくった。過去、日本人は認定されていない。WBOも複数団体統一王者にスーパー王座を認定するが、正規王者をつくらない。WBCは03年に名誉王者を創設。日本人ではWBC世界スーパーバンタム級王者・西岡利晃が初めて名誉王者になった。