WBA世界ライトフライ級王者井岡一翔(24=井岡)の次戦相手候補に、同級暫定王者アルベルト・ロセル(35=ペルー)が急浮上した。強烈なKO初防衛から一夜明けた9日、大阪市内のジムで会見。プロモーター兼トレーナーの父一法氏(45)は「WBAから暫定王者とやるように、強制指名が掛かる可能性がある」と、明かした。

 96年アトランタ五輪にも出場歴があるロセルは、暫定王座を2度防衛中のベテラン。井岡が昨年大みそかにKO勝ちしたロドリゲスにも、判定勝ちした実績もある。将来的には3階級以上の王座獲得を目指す井岡だが、まだ24歳と若い。ロセルとの王座統一戦を制してから階級を上げても遅くはない。「今は王者なので防衛を一番に考えるけど、チャンスがあれば複数階級に臨みたい」と話した。

 次戦は早くても9月以降になる見込み。この日は、きれいな顔で現れた井岡だが「疲れてます」と苦笑した。しばらく体を休めるが、来週末には練習を再開するつもりだ。「常に高いところを目指して頑張っていきたい」。どんな相手でも豪快に倒せるように、鍛錬は怠らない。【木村有三】