一翔、ドーム!

 WBA世界ライトフライ級王者井岡一翔(24=井岡)が、2度目の防衛戦を8月に京セラドーム大阪で行う計画があることが14日、分かった。井岡会長が、井岡のV2戦について発言。会場は未定としたが、候補に最大収容人員5万5000人の同ドームが挙がっている。99年8月のウィラポン-辰吉戦以来行われていないドーム球場での世界戦が実現する可能性が出てきた。

 井岡のV2戦の会場に、国内最大級の大箱が候補に挙がった。井岡会長はこの日、大阪市内で西日本ボクシング協会の会合に出席。井岡の防衛戦について「早ければ8月になる。今度は大きな会場でやろうと思っている」と発言した。会場は「未定」としたが、水面下で京セラドーム大阪が浮上していた。

 京セラドーム大阪は、プロ野球オリックスがホーム球場として使用。コンサートなどに活用されて、収容人員5万5000人を誇る。井岡が8日の初防衛戦で使用した大阪・ボディメーカーコロシアムは2階席に立ち見が出る大盛況で、観衆は8800人だった。その6倍以上にあたる、ビッグステージだ。

 日本で、ドーム球場での興行はマイク・タイソンが2度、辰吉丈一郎が1度だけ。京セラドーム大阪は、99年にウィラポン-辰吉戦で使用されているが、それ以降はドーム球場での興行はない。井岡がドーム球場のリングに立てば、辰吉以来14年ぶりの快挙だ。

 井岡は、初防衛後に「まだまだ僕がいるボクシング界はこんなもんじゃない。もっと盛り上げます。伝説のボクサーになりたい」と宣言。日本最速の7戦目世界奪取、日本初の統一王者、11戦目での最速2階級制覇と歴史に名を刻んだ。昨年6月の八重樫戦は関西地区で平均視聴率22・3%(関東地区18・2%)をたたき出した。同級暫定王者アルベルト・ロセル(35=ペルー)が相手候補となっているV2戦で、ドーム興行が実現すれば、井岡伝説がさらに輝く。

 ◆日本のドーム興行

 過去3例ある。世界統一ヘビー級王者マイク・タイソン(米国)が東京ドームで2試合を行った。観衆は88年3月21日のタッブス戦は5万1000人、90年2月11日のダグラス戦が5万1600人だった。99年8月29日のWBC世界バンタム級タイトルマッチのウィラポン(タイ)-辰吉戦は大阪ドーム(現京セラドーム大阪)で行われ、観衆は2万7000人。ドーム球場で日本人がメーンを務めたのは辰吉1人だけだ。