新日本プロレスの真夏の祭典「G1クライマックス」が、8月1日に開幕する。直前連載「どうなるG1!」では、大会の行方を占います。連載2回目は個性派2人の登場です。

 新日本の夏を、個性派2人がかき乱す!

 かつて棚橋、中邑とともに「新闘魂三銃士」と呼ばれ、将来を嘱望された柴田勝頼(33)が9年ぶりにG1の舞台に帰ってくる。05年に新日本を退団。総合格闘技での戦いを経て、昨年のG1で「けんか売りにきました」と新日本への参戦を宣言。6月に同じ高校のレスリング部の同期だった後藤洋央紀と行った試合が、プロレスへの感覚と熱を呼び戻した。当初、ファンから浴びたブーイングは、激闘で大声援に変えてみせた。

 手応えをつかんで臨む今大会。「今の新日本に僕を嫌いなやつは、相当いると思う。全部受け止めてやる。誰にも負けたくない」と話す。遠回りではない。「後悔しないように生きてきた。所属ではないので、対戦相手と他の試合とも勝負。その日の1番を何回取れるかです」。

 初出場のDDT飯伏幸太(31)は「小学生の時からプロレス最強を証明するために友人と戦っていた」と話すほどのプロレス好き。高校卒業後、レスラーになる夢と現実の間で葛藤した4年間を経て“記念入団”した。「1回試合をして、地元に戻ってプロレスラーだったと自慢しようと思った。一番ぬるそうなDDTを選んだ」。

 ところが、その1回で「声援を受ける面白さを知った」と、のめり込むと、天性の身体能力を武器に覚醒。IWGPジュニア王座を獲得するなど実績を積んだ。ヘビー級のシングル連戦は初。「夢の舞台でどこまでできるか楽しみ。かき回してやろうと思います」と力を込める。盛り上げ役になるつもりは、毛頭ない。【奥山将志】

 ◆柴田勝頼(しばた・かつより)1979年(昭54)11月17日、三重県桑名市生まれ。98年新日本に入門。99年井上亘戦でデビュー。05年新日本退団。07年から総合格闘技の舞台で活躍。12年8月G1両国大会で新日本への参戦を宣言。以降、フリーとしてスポット参戦中。得意技はPK。183センチ、92キロ。

 ◆飯伏幸太(いぶし・こうた)1982年(昭57)5月21日、鹿児島県姶良市生まれ。04年DDTに入門。同年KUDO戦でデビュー。10年IWGPジュニアタッグ王座を獲得。11年BOSJで他団体選手として初の優勝を果たし、同年IWGPジュニアヘビー級王座獲得。得意技はフェニックス・スプラッシュ、ドロップキック。181センチ、86キロ。◆G1出場選手◆【Aブロック】棚橋弘至真壁刀義後藤洋央紀小島

 聡オカダ・カズチカ石井智宏ランス・アーチャーデイビーボーイ・スミスJrプリンス・デヴィット柴田勝頼【Bブロック】天山広吉永田裕志内藤哲也中邑真輔矢野

 通高橋裕二郎鈴木みのるシェルトン・X・ベンジャミンカール・アンダーソン飯伏幸太