ノアGHCヘビー級王者KENTA(32)が、5日横浜大会(横浜文化体育館)で年間最多記録に並ぶ8度目の防衛戦を行う。挑戦者はジュニア時代から激闘を繰り広げてきた中嶋勝彦(25)。1月の王座奪取から約9カ月。残りわずかとなった13年の完全制覇をもくろむ。

 「こんな中途半端なところでは負けられない」。KENTAは言葉に力を込めた。9月の前哨戦で直接フォール負けを喫する屈辱を受けるなど、手の内を知り尽くす難敵・中嶋戦に静かに闘志を燃やす。王者として、先頭に立ち「方舟新章」として再スタートを切ったノアを引っ張ってきた自負がある。「最後は気持ちの勝負になるとは思うが、あいつよりも団体やベルトにかける思いは強い。攻め抜きます」と王者の風格を漂わせた。

 年間完全制覇も視野に入ってきた。中嶋戦を乗り越えれば、年間防衛記録の更新をかけ、12月9日の有明大会(東京・有明コロシアム)でのV9戦が濃厚。「記録には興味がない。ただ、ここまできたら気持ちよく正月を迎えて、親戚の集まりにベルトを持っていきたい。今年を完全に自分の年にしたい」と覚悟を示した。

 戦前に左肩を負傷した中でのV5戦、10日間で2試合という厳しい日程でのV6、V7戦を、気力で乗り越えてきた。すべては支えてくれるファンのため。「恩返しはまだまだ足りない」。KENTAの勝負の3カ月がスタートする。【奥山将志】