ボクシングのロンドン五輪ミドル級金メダルの東洋太平洋、日本同級1位・村田諒太(27=三迫)が来年10月にシンガポールで試合に臨むプランが27日、明らかになった。プロモート契約を結ぶ米大手トップランク社が、高級ホテルのマリーナベイ・サンズで計画する興行に起用されるもので、村田にとってプロ6戦目になる見通し。既に来年は2月に中国マカオでの試合が内定しており、海外進出は本格化しそうだ。

 村田の来秋の試合計画が進んでいることが判明した。村田と契約を結ぶ米プロモート大手トップランク社のボブ・アラム氏が、来年10月にシンガポールで計画する興行で“起用”される可能性が出てきた。会場は高級ホテルのマリーナベイ・サンズ。来秋には約1万人以上が収容可能なアリーナが完成予定だという。村田の試合をプロモートする帝拳ジムの本田明彦会長は「(来年2月の)マカオが終われば、国内試合を挟んで10月にシンガポールになる可能性がある」と明かした。

 五輪金メダリストとはいえ、村田は8月にプロデビューし、来月6日に2戦目を迎える段階。にもかかわらず、14年初戦は2月に中国マカオで内定済み。さらに約11カ月先の海外試合まで計画が進んでいる。これまでの日本人ボクサーとはスケールの違う海外戦略が敷かれるのも海外プロモートを一任しているアラム氏らの期待の表れだ。

 来年は海外マッチが増えそうな村田は「どんどんやりたいです。いずれ世界戦をやるとなれば海外でしょうし、必要な経験になると思う。あとはトップランクや会長にお任せします」と歓迎した。アジアをステップに本場の米ラスベガスへ-。着実なステップアップのためにも来月6日のピーターソン戦は快勝が期待される。この日から都内のジムでスパーリングを開始し「足も使えたし、プレッシャーもかけることができた」と、集中力を高めながら最終調整に入った。【藤中栄二】

 ◆マリーナベイ・サンズ

 シンガポールのマリーナベイに面した総合リゾートホテル。3つの高層ビルが屋上で連結する独特の建築で、10年7月から開業。米カジノ運営会社ラスベガス・サンズが所有する。ホテル単独では世界最大のカジノがあり、部屋は2500室以上。最大の見どころは3つのビルの屋上がつながった空中庭園サンズ・スカイパークで、シンガポールの街並みを満喫できる展望台が観光名所。また屋上プールもあり、世界一高い場所にあるプールとして人気が高い。昨年からボクシング興行も開かれ、来年1月にUFCも開催予定。<12・6両国、村田第2戦>

 ◆チケット発売

 リングサイド3万円、升席A3万円、升席B2万円、2階指定席S2万円、2階指定席A1万円、2階指定席B5000円。チケットぴあ【電話】0570・02・9999、ローソンチケット【電話】0570・00・0732で発売中。