レスリング女子55キロ級で五輪3連覇を含む世界大会14連覇中の吉田沙保里(31=ALSOK)の父栄勝さんが11日、くも膜下出血のため急死した。61歳だった。

 吉田栄勝さんの専大レスリング部の1年先輩で、プロレスラーの長州力(62)は、突然の訃報にショックを隠しきれなかった。所属事務所の関係者によると、この日の午前中に、同部の後輩からの連絡で事態を知ったという。長州本人は、「コメントは出せる状況にない」と話しており、関係者も「見たことがないほど憔悴(しょうすい)している」と長州の状態を説明した。13日の通夜には可能な限り時間を調整して訪問したい意向を示しているという。

 栄勝さんとは、73年の団体戦の大学日本一を争う全日本学生王座戦で優勝するなど、同部の黄金期を作ったメンバー。昨年4月にはレスリングの五輪種目存続を訴えるために、約20年ぶりに川崎市内の母校を訪問し、「栄勝は素晴らしいレスリングを伝えた」と沙保里の活躍にも喜んでいた。