WBC世界バンタム級王者・山中慎介(31=帝拳)は同級3位シュテファーヌ・ジャモエ(24=ベルギー)とのV6戦(23日、大阪城ホール)へ向け、20日は大阪市内で予備検診に臨んだ。

 山中がさらに進化した「左」を見せつける。V5戦時と比べ、この日の検診では胸囲が4センチアップの88センチを記録。医師から結果を聞くと、「下半身中心に肩回りも大きくなった。パワーアップしているということ」と自信満々の表情を浮かべた。

 積み重ねてきた練習の成果だ。前戦から5カ月以上試合間隔があいたことで、筋力トレに多くの時間を割き、強靱(きょうじん)な肉体を作り上げてきた。大和トレーナーも「ここ最近の左ストレートはミット打ちの時に前に出られないほど。強く、重く、鋭くなっている」と証言。世界戦で6勝5KOと、KO率83%を誇るパンチをさらに高いレベルに昇華させてきた。

 相手のウイークポイントも容赦なく攻める覚悟だ。初めて顔を合わせた挑戦者・ジャモエの肉体をしっかりとチェック。右の脇腹にタトゥーがあることを確認すると、「細いしボディーも有効。当日は(入れるより)もっと痛いでしょうね。目印にもなるし、狙いやすい」とニヤリ。初のボディーでのKOにも色気を見せた山中が、磨き上げてきた強烈な左を、上下にたたき込む。【奥山将志】