23日に大阪城ホールで開かれるWBC世界バンタム級タイトルマッチの前日計量が22日、大阪市内のホテルで行われた。

 計量をパスした同級王者の山中慎介(31)は、手にした水をゆっくりと流し込んだ。「順調」の言葉を証明するかのように、すぐに顔中から汗が噴出。体調の良さを実感すると「水分を取って一気に力がみなぎってきた。試合が楽しみです」。引き締まった表情で、言葉に力を込めた。

 12年12月のV2戦から、4試合連続でKO勝ちが続いている。今回のV6戦で世界戦での連続KO記録を5に伸ばせば、バンタム級時代の長谷川、「KOダイナマイト」の異名を持つWBAスーパーフェザー級王者・内山と並び、日本人歴代2位タイ。具志堅の持つ6戦連続KO勝ちの日本記録にも王手をかけることになる。

 計量後には、向かい合ったジャモエと「気合が入った」と20秒以上もにらみ合った。「連続記録は気にしない」としながらも、「KOは意識する」。戦闘モードのスイッチが入った。

 準備は万全だ。相手が得意とする接近戦に持ち込ませないため、体の上下動を抑えたすり足で動くことを徹底。バックステップで相手との距離を保つ練習も増やし、「倒せる距離」を常に意識してきた。世界を驚嘆させる山中の左拳が、今日もうなりを上げる。【奥山将志】