【ラスベガス10日(日本時間11日)=奥山将志】2度目の防衛戦を控えたWBO世界バンタム級王者の亀田和毅(22)が初の米国での一戦に向けて決意を口にした。

 和毅が、初めての米国で「KAMEDA」を猛アピールする。12日(同13日)の同級1位・プンルアン(タイ)との2度目の防衛戦に向けて、試合会場のMGMグランドでの公式会見に出席。「結果を出さないと次はない。今まで29戦やってきたが、今回が一番重要。死にものぐるいでいく」と悲壮な覚悟を口にした。

 言葉の裏には自身が置かれた厳しい状況がある。昨年12月に次男大毅の世界戦が混乱した騒動の影響で、国内での試合が出来なくなった。5月にメキシコで予定された世界戦はプロモーターの都合で白紙となり、ようやく巡ってきたのが、元6階級制覇王者デラホーヤ氏がプロモートする注目度の高い興行だ。

 国内活動の先行きが不透明な中、本場でアピールするには試合内容が問われる。「スピードを生かした自分のボクシングを見てもらいたい。気に入ってもらえるかはプロモーターやテレビ局、ファンの人次第だが、とにかく勝たないと意味がない」。試合が全米で無料放送されることも決まり、言葉に力を込めた。

 デラホーヤ氏からは会見前日に「ラスベガスで試合をする夢がかなったな」と声をかけられた。それでも「最終目標はここでビッグマッチをやることであり、3兄弟でこの舞台に上がること」と言い切った。特別扱いも、先入観もない、実力のみが試されるリングで、未来を切り開こうとしている。

 ◆和毅の試合開催地

 日本でデビューした長男興毅、次男大毅とは異なり08年11月にメキシコでデビューした。6戦目に国内で日本人と初対戦。16戦目にはメキシコでWBCユース・バンタム級タイトルを獲得した。13年8月にフィリピン・セブ市でWBO世界バンタム級王者アムブンダ(ナミビア)を下して世界王座奪取し、日本人初のWBO王者となる。これまでの29試合の試合開催地の内訳はメキシコが16試合、日本が12試合、フィリピンが1試合。米国は今回が初となる。