<新日本:G1クライマックス24>◇1日◇東京・後楽園ホール

 Aブロックで永田裕志(46)が、好調の柴田勝頼(34)に勝って3勝3敗の五分に戻した。今大会最年長のベテランは壮絶な打ち合いを耐え抜き、急角度の岩石落とし固めで勝負を決めた。

 首筋と胸のみみず腫れが、激闘の勲章だった。やられたら、やり返す。倍返しの壮絶な応酬。04年のG1で戦って以来のシングル対決で、永田はまたも柴田をはね返した。カウンターの張り手から、急角度に脳天からマットに突き刺す岩石落とし固め。勝利の瞬間、後楽園ホールの観衆が立ち上がり、スタンディングオベーションで迎えられた。

 「10年ぶりだったが、G1の公式戦とかそういうものを超えた貴重な試合だった」と永田は試合を振り返った。16年連続出場の史上最多の記録を作って臨んだ大会。しかし、46歳という年齢に、そろそろ一線から退くという危機感も漂う。そんな自分の今の力を測るための戦い。中邑、棚橋と優勝候補を次々と倒してきた柴田を破り「気持ちがサーッと明るくなった」とほっとしたように話した。

 敗れた柴田が「恥ずかしながら、あの白目のおっさんに勝ったことがない。今の新日本があるのは、あの人たちがいるというのがあるんじゃないか」と脱帽した強さ。開場前のリングで誰より長く準備運動を続け、練習は毎日、1日も休まず続けている。

 冬季五輪でジャンプの葛西紀明が41歳で銀メダルを獲得したことに刺激を受けた。「世界的に競技年齢は上がっている。プロレス界でも最前線で長くやることに意義がある。アンチエイジングをプロレスでも実行したい」と話す。ノアのGHC王座を最年長で奪い、4度も防衛。その勢いで臨んだG1でも存在感を放つ。まだまだ引き下がるつもりはない。【桝田朗】