<プロボクシング:ライトフライ級8回戦>◇16日◇東京・後楽園ホール

 元WBA世界ミニマム級王者宮崎亮(26=井岡)が、イカル・トビダ(30=インドネシア)を5回1分9秒KOで下した。

 宮崎が汚名返上の豪快なKO勝ちで、9カ月ぶりの再起戦を飾った。試合開始からフットワークと左ジャブを効果的に使い、試合のペースを握った。5回、強引に前に出てきた相手の動きを見極めると、強烈なカウンターの右フック。キャンバスに倒れた相手を確認し、レフェリーが試合を止めた。目に涙を浮かべながら「久しぶりにリングに立てて、勝ててうれしかった」と喜びをかみしめた。

 世界前哨戦として臨んだ昨年大みそかの試合で、減量に失敗。計量時に脱水症状に陥り、自力で計量器に乗れないなどの醜態をさらした。試合も3回KOで敗れ、プロ初黒星。今年の3月まではジムにも行かない日々を送ったが「自分に負けてやめるのは納得いかない」と、井岡一法会長に現役続行を直談判した。復帰後は専門家の指導を受け、食事を細かく分けてとるなど減量法を改善。「宮崎は終わっていないと証明する」と意気込んだリングで結果を出した。

 試合後には「ボクシングは世界王者にならないと面白くない。上を目指していく」と言い切った。ミニマム級に続くライトフライ級での2階級制覇に向け、確かな1歩を踏み出した。【奥山将志】