22日に3度目の防衛戦を行うWBC世界スーパーフェザー級王者三浦隆司(30=帝拳)が20日、挑戦者の同級1位エドガル・プエルタ(32=メキシコ)とともに都内で調印式に臨んだ。約11カ月ぶりの試合も、堂々とKO決着を宣言。陣営は勝利を前提に、来月31日にV9戦を控えるWBA同級王者内山高志(34=ワタナベ)との団体王座統一戦や、海外でのビッグマッチ実現を視野に交渉を進めていく意向を示した。

 「必死に向かって来る相手以上に、必死になって勝ちに行く」。三浦は熱く意気込みを語ったかと思うと、恥ずかしそうに「ボンバー!」と決めぜりふを追加し、会場の笑いを誘った。圧倒的な自信が、自然体で余裕のある雰囲気を作り上げた。「KOで勝つイメージしかない」。写真撮影で相手の目を20秒近く凝視すると、引き締まった表情で会見場を後にした。

 ランキング1位の最強挑戦者プエルタを攻略すれば、ビッグマッチの期待も膨らむ。本田明彦会長は、V3達成を前提に「こっちが挑戦する立場で、三浦も望んでいる」と、11年の世界戦で敗れたWBA同級王者内山との再戦の交渉に入る意向。今年中の実現がうわさされるも、内山の右拳の負傷などで実現出来ずにいる日本人王者同士の統一戦に前向きな姿勢を示した。

 また、WBO同級王者サリド(メキシコ)らの名前を挙げ「内山と出来ないなら海外も考える。海外で戦うにはパンチ(力)という決め手が必要だが、三浦にはそれがある」と、敵地メキシコで勝利した昨年のV1戦に続く、海外進出の可能性も示唆した。

 未来を切り開くためにも、三浦自身は国内で初めてメーンイベンターを務めるプエルタ戦に集中する。今回の試合に向け、走り込み合宿などでフィジカル面の強化にも成功。「前よりも強くなった実感がある。どんなパンチでも倒す自信がある」。気持ちを研ぎ澄ましゴングを待つ。【奥山将志】