WBA世界フライ級1位の亀田興毅(21)と大毅(19)の協栄ジムからの離脱が正式決定した。9日、協栄ジムの金平桂一郎会長と亀田陣営が東日本ボクシング協会の大橋秀行会長の立ち会いのもと、契約解除の合意文書を取り交わした。当面は東日本協会所属として活動していく見込みだが、将来的に「亀田ジム」を設立する方針。フリーとなった2人は11日、メキシコに出発。独立が正式に決まるまでは、同地を拠点に置く。

 亀田一家がついに「自由の身」となった。今年に入って亀田陣営と協栄ジムの対立が表面化。最近は弁護士を通して交渉を進めてきた。7日には契約解除の文書を提出したが、最後まで条件面でもめた。この日、両者は東日本協会の大橋会長を通して、契約離脱の文書を取り交わした。

 都内のJBCを訪れた金平会長は「わたしは円満(解決)と思っています。(亀田兄弟は)新しい道で頑張ってほしい」とエールを送った。亀田も「協栄ジムには本当にお世話になり、感謝の気持ちでいっぱいです」との殊勝なコメントを出した。だが、この日、両者は別々の場所でサインし、最後まで顔を合わせなかった。「大人のコメント」も両者の対立の根深さを物語った。

 無所属となった亀田兄弟は海外進出やジム移籍などの選択肢もあるが、関係者によると、今後はジム設立の方向で動くという。海外拠点はテレビ局、スポンサーとの関係上、難しい。移籍は今回で2度目。亀田流を貫くためにも「亀田ジム」を設立することがベストの選択になる。

 もっとも、独立の準備、手続きは短時間では済まない。父史郎氏は無期限のセコンドライセンス停止中のため、第3者のライセンス保持者がいる。海外は別も、国内では所属先がないと試合ができない。亀田陣営は東日本協会に「身分預かり」を要請。11日の同協会理事会で認可されれば、当面は「東日本協会所属」として活動する。

 亀田は次男大毅とともに11日、メキシコへ出発する。アンダーカードでの出場は断念も、WBAとWBCの世界スーパーフライ級王座統一戦(17日)を観戦。所属先が決まるまでは同地で練習を続ける。WBA王者坂田、WBC王者内藤を倒しての2階級制覇の目標へ、ボクシング人生の再スタートを切る