亀田ジムの活動条件は日本人対決の実現-。東日本ボクシング協会は14日、都内で理事会を開き、WBA世界フライ級1位の亀田興毅(21)ら亀田兄弟の独立ジムの申請を正式に受理した。8月11日の次期理事会で独立の認否を決議する。亀田陣営の要請で推薦人となったワタナベジムの渡辺均会長(58)は今後の活動の条件として日本人対決の実現、ルール、マナー厳守など3つの条件を出した。

 独立の条件は満たした。亀田陣営は10年以上のライセンス保持者として元ワタナベジムの吉井真二トレーナーを確保。この日の東日本協会理事会では独立申請も受理された。あとは認可を待つばかりだが、推薦人で同協会理事の渡辺会長は「独立によってボクシング界全体が良くなってほしい」と独立に向けて3つの条件を掲げた。

 (1)日本人対決の実現

 WBA王者坂田健史、WBC王者内藤大助戦を行う。渡辺会長は「独立して国内での試合が可能になれば、ファンの望むマッチメークでボクシング界を盛り上げてほしい」と注目のカード実現を訴えた。

 (2)ルール、マナーの厳守

 反則禁止はもちろん、協会、日本ボクシングコミッション(JBC)の規定を守る。対戦相手を侮辱するような過度のパフォーマンスも禁止。なおサングラス、茶髪はファッションのためOK。

 (3)東日本協会への協力

 単独で注目度の高い亀田は、これまで協会行事への参加には消極的だった。今後はチャリティー、キッズボクシングなどへの積極的な参加を求める。

 渡辺会長はすでに、亀田兄弟の父史郎氏とも2度会った。亀田はメキシコデビュー戦の計量ではパフォーマンスを封印し、笑顔で対戦相手と握手した。無期限のライセンス停止中の史郎氏も要請通り、海外でもセコンドに付かなかった。トラブルの多かった亀田家だが、変化の兆しは出てきている。

 独立の認否は、8月の次期理事会で決まる。渡辺会長は「亀田兄弟を指導、育成していくのも協会の役目です。もちろん、何か問題があれば推薦人は降ります」と覚悟を決めた。3条件の厳守が、亀田ジム独立への最後のハードルになる。【田口潤】