WBA世界フライ級2位の亀田興毅(22=亀田)の世界戦が白紙になった。5月にも挑戦する予定だった同級王者デンカオセーン・シンワンチャー(32=タイ)が12日、来日。亀田に対し、現状では対戦する意思のない考えを明かした。

 亀田戦が既定路線のように報じられていたが、デンカオセーンは「王者は自分だし、オレが挑戦者を指名する」と怒りをあらわにした。5~6月の試合実現を狙う亀田に対し、4月の試合を希望。「対戦相手を選びに日本に来た。亀田が怖いわけではない。自分は4月に試合をしたいんだ」と続けた。

 亀田陣営は、昨年大みそかに前王者の坂田健史に2回KO勝利したデンカオセーン陣営と交渉を続けてきた。交渉は順調で「ほぼ合意」とも伝えられたが、デンカオセーン自身の意思は違った。スポンサーのシンワンチャー氏とも、亀田戦のファイトマネーの配分などで亀裂も入った。今回は所属するギャラクシージムのニワット会長と共に来日。「自分の窓口はニワット会長だけ」と話した。

 亀田にとっては、まさかの事態になった。昨年10月、WBC王者内藤大助戦の交渉が決裂。前WBA王者坂田への挑戦プランも亀田ジムと前所属で坂田の所属する協栄ジムとは金銭面などの問題を抱え、実現しなかった。デンカオセーンが坂田を破り、新王者になったことで、亀田はすぐに挑戦者に立候補したが、今回の緊急事態で、亀田陣営は世界戦構想の練り直しが迫られそうだ。