WBC世界フライ級王者内藤大助(34=宮田)が、WBA同級1位亀田興毅(22=亀田)を最有力候補に、6度目の防衛戦を行う見通しとなった。11月に東京で開催する方向で、両陣営委が調整に入っていることが、18日までに明らかになった。日本中を騒動に巻き込んだ内藤、亀田家の次男大毅との世界戦から2年。因縁の「第2章」が現実味を帯びてきた。

 世紀の一戦が、ついに実現へ動きだした。内藤陣営がV6戦の相手として、亀田3兄弟の長兄興毅を第1ターゲットにしていることが分かった。場所は東京・両国国技館で、11月開催が有力。スポンサーやテレビ放送などの調整で流動的な部分があるとはいえ、同月29日に同会場に仮予約が入っていることも分かった。

 まさにケガの功名だ。内藤は本来、WBCからの指示で、暫定王者ポンサクレック(タイ)と統一戦を行う予定だった。ところが、5月に行った熊朝忠(中国)との5度目の防衛戦で両まぶたをカットし、回復に時間を要すると診断された。一方、ポンサクレック陣営は、内藤戦の前に選択試合を行えるようWBCに求めていた。WBCがこれを許可し、同じように内藤も選択試合の権利を与えられた。ポンサクレックが、升田貴久(三迫)と28日に防衛戦を行うことになったのを受け、内藤陣営も次戦の相手交渉を本格化させることになる。

 そこで浮上するのが、興毅との防衛戦プランだ。2人は昨年末に対戦計画があったが、実現直前で破談になっていた。興毅はWBAフライ級1位でWBAの指名挑戦権を持っているが、同級王者デンカオセーン(タイ)が弟の大毅と戦うことに。選択試合を許可された内藤と、戦う相手がいなくなった興毅との間で、利害関係が一致してもおかしくない状況になった。宮田ジムの宮田博行会長はこの日、「今の時点で話すことは何もありません」とだけ話した。だが、WBCランク外の興毅がランク入りすれば、ルール上の障害はなくなり、日本ボクシング史に残るビッグマッチが現実味を帯びてくる。