亀田3兄弟が亀田ジムで活動を再開できることになった。東日本ボクシング協会は24日、都内で理事会を開き、3兄弟の父史郎氏の暴言問題で活動停止中の亀田ジムの五十嵐紀行会長(35)を無期限資格停止とする一方、同ジムの吉井慎次トレーナー(50)を新会長に据えてジムを存続させることを承認した。3兄弟はジムが活動停止となった4月以降、協会預かりとなり、分かれて練習するように一時は3ジムが用意されたが、再び元のさやに収まることになった。

 活動拠点が宙に浮いていた亀田3兄弟に朗報が届いた。東日本協会は五十嵐会長に無期限の資格停止処分を下し、吉井トレーナーを新会長に据えるよう、協会員とする手続きを取ることを出席理事17人が全会一致で承認した。日本ボクシングコミッション(JBC)も申請を受理することが有力で、その時点で亀田ジムは活動再開が可能となる。

 東日本協会は4月13日に調査委員会を設置し、五十嵐会長、史郎氏、吉井氏、興毅への事情聴取を計3度行い、自宅も兼ねていた亀田ジムから父史郎氏らが転居していることを確認した。一方で協会が用意した3ジムでの練習について亀田兄弟から「ジムに迷惑が掛かるので控えさせていただく」と回答されていた。

 五十嵐会長の処分だけではジム代表者不在となり、亀田ジムでは活動ができない。他のジムでも練習しなければ、3兄弟のボクシング生命にも影響が出てくる。問題をこれ以上長期化させるわけにもいかず、協会が主導して吉井氏に提案した。大橋会長は「選手を守ることが第一。吉井氏はトレーナー経験も20年を超えるし、総合的な判断で代表変更ということで話をした」と説明した。

 ジム再開へ吉井氏には3つの条件もつけた。(1)選手らの言動を十分に管理監督する(2)選手の練習における指導および管理監督に従事(3)違反した場合、亀田ジムが協会からいかなる厳罰を下されても異議を述べない。

 ライセンスのない史郎氏が指導するなどの違反行為があった場合などは、すぐに厳罰処分が下されることになる。吉井氏には確約書も提出させた。

 一方で史郎氏は3兄弟の芸能活動などをマネジメントする亀田プロモーションの代表も務めており、今後も兄弟への影響力は残る可能性が高い。再発防止について大橋会長は「親子関係まで切ることはできない。吉井さんにしっかり管理監督してもらう」と話すにとどめた。【浜本卓也】