WBA世界フライ級王者亀田大毅(21=亀田)が12月26日に埼玉・さいたまスーパーアリーナでV2戦を行うことが5日、決定的になった。相手は同級15位シルビオ・オルトー(32=ルーマニア)が有力。同日には元2階級王者の長男興毅(23)と三男和毅(19)も試合を行う予定だ。大毅は9月に元同級王者坂田健史(協栄)に判定勝ちして初防衛に成功したが、減量苦から1階級上のスーパーフライ級転級も示唆していた。亀田家唯一の世界ベルトを守るべく、大毅が次戦も世界王者としてリングに立つことになりそうだ。

 大毅が世界王座を返上せず、守る決断を下した。関係者によると、陣営は12月26日に、さいたまスーパーアリーナでV2戦を行う方向で調整をしていることが判明。相手には戦績が11勝(5KO)3敗の右ボクサーファイターで、フライ級で欧州の地域タイトルを獲得している同級15位のオルトーが最有力候補に挙がっている。その興行には興毅と和毅も出場する予定で、亀田3兄弟がプロのリングで初めてそろい踏みすることになる。

 大毅はまだ21歳と成長過程なうえ、フライ級(リミット50・8キロ)では約12キロの減量を要する。9月の初防衛戦直後には「体重もきついんで、おやじたちと話し合って決めたい」と、次戦は王座を返上して1階級上のスーパーフライ級(同52・1キロ)に転級する可能性も示唆していた。だが亀田家の世界王者は、現在は大毅1人。初防衛戦前に「亀田家にベルトをなくしたらアカン」と王者の自覚も口にしていた大毅は、今月1日に参加したDVD発売イベントでは「(次戦は)今のところはフライ級やけどな」と発言。「防衛戦は希望したいよ。チャンピオンである限りは」とV2戦への意欲も示し「寒くなってきて汗も出えへんけど(試合)間隔があんまりあいてないし、(次戦が)12月、1月で決まったら(調整期間は)1カ月半で大丈夫」と話していた。

 正式決定となれば、準備期間は約1カ月半と決して多くはない。これから年末の大一番に向けて、亀田家にある世界王座を守るべく、本格的な調整に入ることになりそうだ。