WBAが来年1月から新採点法導入へ

 【カンクン(メキシコ)16日(日本時間17日)=田口潤】ボクシング界初の「ハーフ・ポイントシステム」による採点法が、来年1月に日本で行われる世界戦で試験的に導入される方向になった。WBAのメンドーサ・ジュニア副会長(36)が日本ボクシングコミッション(JBC)に要請することを明かした。従来の10点法を0・5点刻みに細分化。ラウンドの優劣をより正確にして「疑惑の判定」をなくす。JBCが承諾すれば、1月10日のWBA世界バンタム級王者シドレンコ(ウクライナ)対池原信遂(大阪帝拳)戦(大阪府立体育会館)で初導入される。

 プロボクシング採点法が29年ぶりに変わることが決定的になった。15日に当地で行われたダブル世界戦を視察したWBAのメンドーサ副会長が明言した。「JBCの了承が必要になるが、新採点法を来年からまず日本で採用したい」。1月10日のシドレンコ-池原戦でのテスト導入を示唆した。

 WBAは数年前から10点制による採点法を0・5点刻みに細分化した「ハーフポイントシステム」の導入を検討していた。現在の採点法では両者の優劣が微差でも大差でも、基本的にダウンがなければ10-9をつける。このため見た目の印象と採点が異なるいわゆる「疑惑の判定」も多かった。昨年8月の亀田-ランダエタ戦でも判定が大きな論議を呼んだ。新方式では微差を10-9・5、大差を10-8・5と明確に分けることで判定の精度を高める。

 初導入を日本にする理由がある。昨年11月にWBCが4回、8回終了後に採点を公開する「オープンスコアリング・システム」を日本で初採用。正確な運用でトラブルもなく、その後、世界的に定着しつつある。「日本が一番信頼できるから」とメンドーサ副会長は話した。

 JBCの安河内剛事務局長は「WBAから強く要請されれば、画期的なシステムだけに前向きに検討したい」と話した。シドレンコ-池原戦で初導入が決まれば、同14日のWBA世界スーパーフライ級王者ムニョス-川嶋戦(横浜文化体育館)でも続けて採用される。実現すれば79年10月に5点制から10点制に移行して以来の大幅変更になる。[2007年12月18日8時49分

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