「古口一家」で世界へ1歩/ボクシング※画像クリックで拡大表示<プロボクシング:全日本新人王戦>◇22日◇東京・後楽園ホール◇全12階級◇5回戦(ミドル級のみ4回戦)

 スーパーバンタム級の古口学(22=古口)が家族のきずなでMVPをつかんだ。7戦全勝同士のホープ対決となった決勝で、村沢光(尼崎)から2度のダウンを奪い、2回1分22秒TKO勝ちを収めた。所属ジムの会長は元WBA世界スーパーフライ級王者鬼塚勝也を育てた伯父の古口哲氏(50)、トレーナーは実兄の巧さん(24)が務める。戦績を8戦全勝(4KO)に伸ばしたホープは、今後もファミリーの力で世界王座奪取を目指す。

 KOしか考えていなかった。古口はガードを上げて前に出た。2回序盤に右ストレートで最初のダウンを奪うと、立ち上がった村沢を右フックでなぎ倒し、試合を終わらせた。「積極的に攻めた。相手の左に合わせて右を出した。会長に3回までに倒せといわれていましたから」と笑った。

 11月の東日本新人王決勝では判定勝ちしたのに会長から頭をこづかれた。「倒せる相手なのに倒さなかったから」(古口会長)。実は9月の同準々決勝後に左ひざ半月板切除手術を受けていた。2カ月入院が必要なところ1週間で退院して練習を再開した。左ひざは今も痛むが「言い訳にしたくない」と練習を続けて今回のKO勝利につなげた。

 伯父でもある会長は大学時代に61連勝の記録をつくったスター選手。トレーナーとしても鬼塚を世界王者に育てた実績も持つ。しかし、古口は栃木・今市工高時代は運動部にさえ所属していなかった。地元の企業への就職も内定していた。それが会長に誘われて見たボクシング大会で目覚めた。「リングが輝いて見えた」。

 古口会長が言う。「鬼塚も新人王と敢闘賞を取って世界王者になった。今の段階では段違いの差で及ばないけど、2年でここまできた。可能性はある」。アマボクシングの経験のある兄もトレーナーを買って出た。「自分は最高の環境に恵まれている。2人を世界一の会長と世界一のトレーナーにすることで恩返ししたい」と、古口の目は世界の頂点を見据えていた。【来田岳彦】[2007年12月23日8時34分

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