山本が野生派捨てテクニシャンに転向※画像クリックで拡大表示

 山本“KID”徳郁(30=KRAZY

 BEE)が野性派から卒業し、テクニシャンに転向する。大みそかのDynamite!!(京セラドーム大阪)でのハニ・ヤヒーラ(ブラジル)戦を前に24日、都内で練習を公開。自己流で実績を積み上げてきたが、ロシア人ボクサーのWBA世界バンタム級5位サーシャ・バクティン(26=協栄)に志願して弟子入りし、打撃テクニックを学んだことを明かした。北京五輪をあきらめプロ専念を決めた今後は、強さだけでなく技術力をつけ、総合格闘家としての再スタートを切る。

 もう天性の勘だけには頼らない。山本は「今までは強いだけだった。これからはうまさとテクニックが必要になる」とテクニシャン転向を宣言。技術習得の第1弾として、今月初旬からプロボクシングの協栄ジムに通っていたことを明かした。

 今年7月、元日本バンタム級王者で、現在WBA同級5位のバクティンの試合を観戦した。「これはやばい」と衝撃を受けた。ガードを固めるオーソドックスのスタイルではなく、ガードを下げ、フットワークをいかしたスタイル。「低いガードなら相手のキック、タックルに対応できる」と見て取り、自己流を捨て、打撃では初めて人から教えを請うことを決断した。

 バクティンとは軽いスパーリングで拳も交えた。足を使った防御はもちろん、高速の右ジャブから左ストレート、アッパーなどのコンビネーションを学んだ。「センスは抜群だし、理解力が速い」とバクティン。山本はこの日の公開スパーリングでも、切れ味鋭い連打を披露し、ボクシング修行の効果を見せた。

 昨年からレスリングでの北京五輪出場を目指した。だが、五輪代表選考会でのケガなどもあり、10月には「二足のわらじ」を断念。再び、総合格闘技に専念することを決めた。心機一転の出直しの試合を前に、意識も変化した。「自分の勘と身体能力だけでやってきた。今後は技術を身につけて、より完ぺきなスタイルを完成させたい」とKID流の進化を誓った。

 来年2月には都内に新ジム「KRAZY

 BEE」を立ち上げる。プロだけでなく一般会員、子供も募集する。「将来的には子供たちを育てていきたい。そのためにも、技術を学ぶことは大切になる」。大みそかには、総合格闘家として一皮むけたKIDが見られそうだ。【田口潤】[2007年12月25日8時36分

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