長谷川V5戦にド迫力特殊カメラを導入※画像クリックで拡大表示

 「長谷川カメラ」が本物の迫力を伝える。WBC世界バンタム級王者・長谷川穂積(27=真正)が出場するダブル世界戦(10日、大阪府立体育会館)で、生中継する日本テレビが長谷川用にスーパースローカメラを導入することが4日、わかった。肉眼で確認できない一瞬の動きを、リング脇のローアングルから追いかける。同級1位シモーネ・マルドロット(29=イタリア)と5度目の防衛戦を行う長谷川はこの日、神戸市内の所属ジムで1回のスパーリングを公開した。

 長谷川が特殊カメラを通じて、本物の強さをお茶の間に届ける。今回の世界戦で、スーパースローカメラが初めてリング脇に導入されることが決定。日本テレビ・ボクシング中継の若月寿朗プロデューサー(43)がその理由を明かした。

 「ボクサーのすごいスピード、パワーを伝えたい。狙いは長谷川選手の左パンチです」。通常のスローモーションに比べ、3~4倍遅いスピードで、より鮮明に再現できるという。マルドロットのボディーをたたけば、パンチが脇腹にめり込み、腹筋が波打つ様子がハッキリと分かる仕組みだ。

 「視聴者に『強い、強い』とあおるのは簡単だけど、よりボクシングの本質を楽しんでいただけたら」。若月プロデューサーはダブル世界戦の番組の副題を「THE

 REAL」とつけた。つまり「本物」だ。現在のボクシング界は強さより話題性が先行。亀田兄弟が代表的存在だったが、昨年10月、大毅のWBC世界フライ級タイトルマッチを境に“神話”が完全に崩壊した。食品業界の偽装問題もあり、昨年の世相を表す漢字は「偽」だった。

 長谷川はこの日、ジムの山下正人会長との1回のスパーを公開。合計ラウンドは140回に達した。日本人同級最多防衛となるV5へ「打たせずに打つ。きれいな顔で終わりたい。勝ち負けは考えず、魅せるところは魅せるボクシングを心がけます」と意気込んだ。“リアルチャンプ”が、世界屈指の技術でファンを魅了する。【大池和幸】[2008年1月5日8時50分

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