史上初となる2度目の7連覇を目指す横綱白鵬(30=宮城野)が、関脇照ノ富士を上手出し投げで下して1敗を守った。

 白鵬が若武者の野望を打ち砕いた。今場所後の大関昇進を狙っていた照ノ富士を攻めたて、最後は上手出し投げ。「まあ、流れでね。たまたまです」。1敗を守り、連続2桁勝利場所数も自己記録を更新する50場所へと伸ばした。

 平然とした表情ながら、取り口に気迫を込めた。先場所は4度目対戦で初黒星。立ち合いで張り手を浴び、関係者には「びっくりしたよ」と打ち明けたという。だが、やられたらやり返す。この日は左から張って先手を奪った。「いつまでも引きずっていたらね、やっていけませんから」。最強横綱の意地を見せた。

 3月で30歳になった一方で、23歳の照ノ富士が台頭してきた。世代交代を危惧する声も出てきたが「いずれ男にはそういう時がくるだろうけど、今のところは大丈夫」と笑い飛ばす。力をつけてきた若手を封じ込み、史上初となる2度目の7連覇へ前進した。