横綱白鵬(30=宮城野)が、2敗目を喫した。

 大関豪栄道(29=境川)の懐に入り、左からのすくい投げに出たが、土俵際で捨て身の首投げを食らった。両者同時に倒れ込んだが、わずかに白鵬の右肘が先についていた。物言いもつかない。審判長を務めた伊勢ケ浜審判部長(元横綱旭富士)は「(豪栄道の体が)1本、乗っかっていた。肘がついたとかじゃない」と明確な差を説明した。

 ただ、白鵬は納得がいかなかったのか、それとも負けを受け入れられなかったのか、土俵下に下りてもぼうぜんとした表情で、いつまでも立ち尽くした。控えになかなか座らなかった。支度部屋では今場所初めて、報道陣に背中を向けた。車に乗り込むまでの長い廊下でも無言を貫き、いつもより足早に去った。

 取組前には、1敗の平幕魁聖(28=友綱)と2敗の大関稀勢の里(28)、平幕高安(25=ともに田子ノ浦)が3人とも負けていた。勝てば抜け出せる一番だったが、落とし穴が待っていた。