関脇照ノ富士(23=伊勢ケ浜)が大関稀勢の里(28)を下手投げで破り、9勝目を挙げた。

 前日の横綱白鵬戦に敗れて今場所後の大関昇進の可能性は消滅。来場所での再挑戦に向け、期待をもたせる1勝になった。混戦模様の中で、トップと1差。他力ながら逆転優勝の可能性も残した。

 どちらが大関か分からなかった。照ノ富士は稀勢の里を豪快に投げると「気持ち良かったなあ」と満足そうに言った。最初の立ち合いは「左で張るか、右で行くか迷っちゃって。迷うと思い切りいけなくなるから」と、1度「待った」。仕切り直すと左四つから、上手を取られた瞬間に腰を入れて巻き込み、土俵に転がした。前日は白鵬に敗れて今場所後の大関昇進がなくなったが、勢いを途切れさせなかった。