西横綱日馬富士(31=伊勢ケ浜)が意地を見せ、弟弟子の東関脇照ノ富士(23=伊勢ケ浜)の優勝と大関昇進をアシストした。

 2番前で照ノ富士が12勝目を挙げた時点で、自らの優勝の目はなくなっていた。東横綱白鵬(30=宮城野)と今場所最後の一番。立ち合い低い当たりで左前みつをとったが、白鵬の突き放しに土俵際に詰まった。腰が落ちかけたが、持ち直して飛び込んで右下手をとる。左前みつもつかんで頭をつけ、力の限りの寄りで寄り倒した。

 支度部屋での開口一番は「ホッとしました。正直」だった。5連敗中だった白鵬を引きずり下ろし、照ノ富士に強力援護した。「勝った瞬間、一番先に照ノ富士のことが頭に浮かんだ」と話した。移籍後は胸を出して鍛えてきた。一生懸命稽古している。兄弟弟子の活躍は素直にうれしい」。大関昇進には「どんどん暴れてほしい。体に恵まれている。横綱は本人の努力次第。何より相撲は稽古で自信をつけること」とさらなる猛稽古を促した。