横綱白鵬(30=宮城野)が、終盤の失速で偉業を逃した。勝てば、照ノ富士との優勝決定戦に持ち込めた日馬富士戦。突っ張って前に出たが、潜り込まれて頭をつけられた。苦しい体勢を打開できず、寄り倒された。史上初となる2度目の7連覇は、消えた。

 異例の調整も実らなかった。この日は、通常より約1時間早い朝8時台に稽古場へ下り、四股やすり足で体をほぐした。部屋関係者も「えっ? マジ?」と驚くほどの早朝稽古。師匠の宮城野親方(元前頭竹葉山)は「(優勝へ)気持ちは変わってないから、いいんじゃないか」と評価したが、結果は好転しなかった。

 際どい相撲で敗れた12日目の豪栄道戦以降は、1勝3敗で場所を終えた。支度部屋では4日続けて報道陣に背を向け、無言を貫いた。11勝以下で終えるのは、10勝だった12年夏以来3年ぶり。偉業を狙った30歳の夏は、苦々しい沈黙で幕を閉じた。【木村有三】