関脇照ノ富士(23=伊勢ケ浜)が横綱白鵬との優勝争いを制し、初の賜杯を手にした。碧山を寄り切りで下して12勝目。3敗で並んでいた白鵬が横綱日馬富士に敗れ、101人目の優勝力士となった。年6場所制となった1958年(昭33)以降は貴花田、朝青龍に続き歴代3位となる初土俵から25場所のスピード記録。1度は消えた大関昇進も確実にし、荒れる夏場所の主役をかっさらった。

<大関アラカルト>

 ▽江戸時代は最高位 1699年(元禄12)5月の京都興行で初めて番付に「大関」の文字が載る。1890年(明23)3月に横綱昇進した第16代西ノ海までは、横綱免許を授与された力士でも番付には「大関」と記載された。

 ▽安泰 69年名古屋場所からは2場所連続で負け越さない限り陥落せず、関脇に陥落しても翌場所10勝以上で復帰可。

 ▽月給 横綱の282万円に次ぐ234万7000円。三役(関脇、小結)より65万4000円増。

 ▽待遇 公演など海外渡航はファーストクラス。新幹線はグリーン席。車での場所入りは地下駐車場まで乗り入れ可。化粧まわしも関脇以下では禁じられている紫色が使える。

 ▽引退後 協会に残るためには年寄名跡が必要だが、元大関は現役のしこ名で3年間、年寄として協会に残ることができ、日本国籍取得者は委員待遇として「年寄」の上位に置かれる。また、横綱と大関には特別功労金が支給される。

 ▽5人目 照ノ富士は朝青龍、白鵬、日馬富士、鶴竜に次ぐ5人目のモンゴル出身大関となる。外国出身力士では10人目の新大関。