日本相撲協会は29日、名古屋場所(7月12日初日、愛知県体育館)の新番付を発表し、宝富士(28=伊勢ケ浜)が新三役に昇進した。青森県からは06年九州場所の安美錦以来戦後23人目の新三役。名古屋市瑞穂区内の宿舎で会見し、東小結に位置づけられた自身のしこ名を見て「番付の字が大きくなったので実感しました。うれしい」と喜んだ。

 1つの経験が生きた。9勝した夏場所と同じ東前頭筆頭だった今年1月の初場所では、勝ち越せば三役が見えていたが、7勝7敗で迎えた千秋楽で負け越し。悔し涙を流した。「そのときは精神的に弱かった。経験を生かせたと思う」と振り返った。

 部屋では、弟弟子の照ノ富士(23)が新大関に昇進した。今年の正月、三役定着などを目標に掲げた男は「悔しいです。自分も上を目指して頑張りたい。立ち合いを厳しくして、2桁勝ちたい」と、さらなる欲を出していた。