大相撲の横綱鶴竜(29=井筒)が、なでしこジャパンに教えられた。2日、愛知県大府市の二所ノ関一門の連合稽古に参加して、夏場所前以来、約2カ月ぶりに関取衆と稽古を行った。

 大のサッカー好きで、イングランド戦の前半を見てから稽古に参加したほど。稽古後に勝利を喜び「あの(佐々木)監督もいい。ダジャレも気分よく楽しんでやろうと狙ってやってる。いかに楽しんでやるかが大事ですよね」と絶賛した。

 その言葉通り、左肩のけがから復帰した自身も、久しぶりの雰囲気を楽しんだ。小柄で動きの速い幕内嘉風、十両松鳳山を指名して14番で全勝。それ以上に稀勢の里、琴奨菊の両大関らの、激しい稽古場に身を置けたことを喜んだ。「やっと普通通りに稽古ができてうれしい。いいですね、この雰囲気。やっぱり相撲が好きなんだな」と笑った。

 「本当はもっとできるんだけど、今日やっちゃうと次の日にダメージが出るので」と抑えめだった“初日”。3場所ぶりの名古屋場所(12日初日、愛知県体育館)へ、視界はようやく開けたようだ。「決勝はいつですか?」。何度も尋ねる姿には、本来の明るさが戻っていた。【今村健人】