元十両の西三段目20枚目の飛翔富士(26=東関)が、連勝を21に伸ばして三段目優勝を飾った。

 同じ6戦全勝の若力堂(28=二所ノ関)と決戦。左四つで動きが止まったが、右をねじ込みながら寄り切った。

 9年前に1度負けている相手に「借りたものは返す」と勝利した。

 右ひざを手術で7場所休場し、11年秋場所には十両から番付外まで陥落した。今年初場所前相撲で再起し、春は序ノ口優勝、夏は序二段でも全勝したが、優勝決定戦で負けた。「決定戦は空気が違う。また決定戦になったらどうしようと、めちゃ緊張した」とほっとした。

 体重は最高212キロから1度は169キロまで落としたが、現在は公称182キロも「大好きなアイスを食べすぎで188キロはある」。前夜もニンニクたっぷりで鉢のような丼での「ベストコンディションラーメン」に、丸ごとの鶏の空揚げ2羽、カレーライスも5杯食べた。体調に加えて、評判の大食いぶりも戻ってきた。

 左ひざも2年前に手術しているが「雨が降ると痛く、薬も効かない。晴れなら問題ない」と話す。再起後21勝のうち寄り技が12勝で、今場所は7勝中6勝を占める。「投げもないから、体を生かし、捕まえて歩くだけ。やっと幕下まで戻れるが、上には上がある。来場所が勝負」。幕下中位に復帰する秋に向け、場所後は岩手・一関、山形・小国での合宿で稽古に励むつもりだ。