西十両11枚目の若の里(39=田子ノ浦)が、同7枚目の天風(24=尾車)を引き落として4勝目を挙げた。

 十両残留へもう後がない中で、土俵際をまわりこんで執念を見せた。「やっぱり勝つとうれしいですね。内容は良くないけど、ギリギリのところまで来ている。もう内容なんか関係ないですからね」と、ひとまず胸をなで下ろした。

 24年目のベテランも、この緊張感はかつて、1度も味わったことがない。「もう本当に後がないところまできている。この緊張感はハンパじゃないですよ。あと2日、心臓が持つかどうか。負けたら終わり。1つも負けられない状況は、ハンパじゃない緊張感です」と笑いながら明かした。

 後がなくなってから、自らの状況をトーナメント戦に例えてきた。初戦は突破した。「明日は準決勝か。あと2日、何としてでも白星を取って、頑張りますよ」。支度部屋を出る際には、92年春場所で一緒に初土俵を踏んだ同期の幕内旭天鵬(40=友綱)と力強く握手を交わした。残り2日。最後の力を振りしぼる。