オレの胸を借りてチャンスを生かせよ! そんな奮起を促す怒りに似た声を胸に込めながら、大関照ノ富士(23=伊勢ケ浜)が土俵復帰した。

 大相撲の夏巡業は13日、福島・郡山市の郡山総合体育館で開かれた。8日の新潟・糸魚川巡業の稽古で、左膝の半月板を損傷し、以後は土俵入りだけ務めていた照ノ富士がこの日、5日ぶりに稽古土俵に上がった。

 「痛みは、もちろんある。まあ我慢できるぐらいだね。(力の入れ具合は)30か40%ぐらいかな。早く稽古したかったから」と、稽古熱心な一面をのぞかせた。

 土俵では十両の御嶽海(22=出羽海)、阿炎(21=錣山)大栄翔(21=追手風)天風(24=尾車)と、ほぼ自分と同年代の4人と対戦。ほとんど相手を豪快な投げで仕留めるなど、12戦全勝で締めた。4人に対し「せっかく大関が胸を出してくれてるのに全然、力を出していない。オレは『ここがチャンス。ここで自分の力を試すんだ』と思ってやってきた」と同世代に奮起を促した。