大相撲の秋巡業が8日、宇都宮市で始まったが、幕内の稽古で相撲を取ったのはたった4人と、きわめて低調なスタートを切った。

 直前の十両の稽古は活気にあふれていた。だが、幕内に切り替わると様相が一変した。最初に土俵に上がったのは千代鳳(22=九重)と佐田の富士(30=境川)だけ。2人で相撲を取り続ける三番稽古が20番続いた。次に相撲を取ったのも、佐田の海(28=境川)と誉富士(30=伊勢ケ浜)の、これまた2人だけ。合間に大関稀勢の里(29=田子ノ浦)と横綱日馬富士(31=伊勢ケ浜)が胸を出して、何とか格好がついた。

 尾車巡業部長(元大関琴風)は「何とか時間が持ったから良かったけど…。いつもなら、あの中に何人か入っていくが、今日はなかった。徐々にペースを上げようと考えているのかな。怒るほどのことではないが、明日もあさっても入ってこないようなら、怒らないといかん」と奮起を求めた。

 今回は、夏巡業でよく土俵に上がっていた横綱白鵬(30=宮城野)と大関照ノ富士(23=伊勢ケ浜)がケガで不在。尾車巡業部長は、来場所で新入幕が確実な御嶽海(22=出羽海)や有望力士の輝(21=高田川)らの名前を挙げて「十両の力士が幕内でやっちゃいかんということはない。明日から、上でもやれと言おうかな」と積極参加を求めた。