北の湖理事長(享年62)の急死から一夜明けた21日、横綱白鵬(30=宮城野)が福岡・篠栗町の宮城野部屋での朝稽古後に、報道陣に対応した。

 理事長の訃報に「昨日の夜、知りました。本当にびっくりしました。誰より力士のことを一番に考えてくれる理事長だった。本当に素晴らしい方だった」と残念がった。

 九州場所10日目の栃煌山戦で、猫だましを使った際、理事長から「横綱としてやるべきことじゃない。前代未聞じゃないの。負けてたら横綱として笑いもの」などと批判を受けた。それに関しては「今場所はいろいろ新聞に出たけど、それは誤解だと思うんですよ。その誤解をこの場で解きたい」と釈明。「愛のムチだったと思う」と話した。

 さらに「理事長の手から一代年寄をもらいたかった」とも述べた。だが、親方になれる条件は「日本国籍を有する者」で、現状ではモンゴル人の白鵬は年寄にはなれない。白鵬は複雑な表情で「国籍の問題は、本人の問題。一代年寄というものを北の湖大横綱から頂けたら、と思ってましたけど…」と語った。