昨年末の就任後、初の本場所を迎えた八角理事長(52=元横綱北勝海)が、大役も無事に務め安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 昨年11月に北の湖前理事長(元横綱)が急死。昨年末に後任として、理事長に就任した。さらに、この日は天皇、皇后両陛下をお迎えしての天覧相撲。その案内役も務め、額から汗をかきながら重責を務めた。

 両陛下をお見送り後、報道陣に対応。まずは熱戦続きだったことに「必死に一生懸命、相撲をとってくれた力士に感謝したい」と、肩の荷を下ろすように笑みを浮かべた。就任後、初めての場所で、しかも両陛下をお迎えした1日を振り返り「非常に私として一番の日、一番緊張した日、一番うれしい日でもあります」。緊張のあまり、両陛下との会話もうろ覚えのようだが「身を乗り出して観戦されていました。天皇陛下は『うっちゃり気味ですね』と話すなど相撲にお詳しい様子で、皇后陛下はケガをしている力士を心配されていました」と話した。

 初日恒例の協会あいさつでは「歴代理事長の志を受け継ぎ、大相撲の歴史、伝統、文化、誇りを一生懸命守っていく」と満場の館内に向かって述べた。「ここ数日で考えた。自然な気持ちで思ったことを言った感じ。力士として相撲人として、誰にも真似できないものを(自分たちは)やっているんだ、ということ」と熱く語った。