「F1相撲」は空振りに…。40回記念大会の特別企画として、3カードで実施された「OB力士特別取組」で平幕優勝2度を誇る元関脇琴錦の朝日山親方(47)が、元大関琴欧洲の鳴戸親方(32)と対戦。上手投げで、あえなく転がされた。

 現役時代、小柄な体ながら速攻の突き、押しを武器に「F1相撲」と評された朝日山親方。この日は、最後の塩まきの前に、背中を思い切り反らす琴奨菊のルーティン「琴バウアー」なみのパフォーマンスを披露。そして仕切り線のはるか後方から立って、鳴戸親方の懐に飛び込んだ。だが、あえなくつかまり、肩越しにとられた上手から投げられた。「スピードで翻弄(ほんろう)しようと思ったら、顔面を突っ張られて土俵際まで下がってしまった。かいくぐって後ろにつこうと思ったんだけどね」と息も絶え絶えに? 話した。00年秋場所限りで現役を引退。15年以上がたち「体の節々が痛い。(若い衆に)酸素ボンベを用意しろって言っておいたんだけどな」と肩で息をしつつ「力を入れるポイントは忘れてなかった。足の親指の内側。今、ここが痛いのは力が入っていた証拠。15年もたっているのに」と自分に感心することも忘れなかった。