すっかり「時の人」になった大関琴奨菊(32=佐渡ケ嶽)は少々、お疲れ気味だ。

 2回戦から佐田の海、北太樹と、いずれも得意のがぶり寄りで下し4回戦へ。だが、ここでは横綱白鵬(30=宮城野)に、左前まわしを取られ体を開かれ、その左上手からの出し投げで、あっさりと転がされた。

 10年ぶりの日本出身力士の優勝という快挙を初場所で達成後、自身の挙式やイベント出演など、公私で多忙を極める。そのため「体が全く出来ていないからね。四股しか踏んでないし」と敗退にも納得するしかない。

 土俵を離れた挙式や、前週の白鵬杯、11日の福祉大相撲やこの日のトーナメント大会など「多くの人の支え、協力があってこそ進められる。その気持ちは、以前より強くなりました。本当に感謝しています」と話す。その一方で「もう少し、そっとしておいて…という気持ちもね」と素直に吐露し、本格的な相撲の稽古も「(春場所が行われる)大阪に入るまで、あまり出来ないかな」と話した。