日本相撲協会は25日、大相撲夏場所(5月8日初日、東京・両国国技館)の新番付を発表した。

 魁聖(29=友綱、本名・菅野リカルド)は、ブラジル出身力士としては初めての三役昇進を果たし、東小結に就いた。初土俵から約10年での三役で、両国国技館内で行われた記者会見に同席した師匠の友綱親方(63=元関脇魁輝)も「入門当時(の期待度)からすれば三役に上がるペースとしては遅いかな。相撲に取り組む姿勢でスローな部分があるから仕方ないけど、とにかくノンビリしているのが、スローになった」と歯がゆさも口にした。

 ただ格闘技に似合わぬ? 温厚な性格も魁聖の魅力。本人も「なかなか(性格は)変えられないんですね。周りから“もっと怒れ”とか言われて、そのつもりでやっても、そうは見られない。ありのままで上を目指します」と、会見も和やかムードに包まれた。夏場所についても師匠が「現実を考えたら私も弱気。本人も相当に弱気になるだろうけど」と言われた横で「最初から上位戦がある。とりあえずケガをしないように…」とにやけた。今夏は故郷でリオデジャネイロ五輪が開催されるが、それにも「何と言えばいいか…」と口ごもり「向こうでみんな頑張っているから、こっちも頑張らないと」と小声で言うのが精いっぱいだった。