前日(4月30日)から始まった二所ノ関一門の連合稽古が1日、東京・江東区の尾車部屋で行われた。

 この日も稽古の締めくくりは、稀勢の里と琴奨菊の大関同士の三番稽古。微妙な勝負となった一番を含め計10番で稀勢の里の6勝4敗。ただ、勝敗以上に手応えがあったのか、稽古後の稀勢の里は明るい表情で、1つ1つの質問に言葉を選びながら答えた。この日の稽古、現在の体調について「動き的には良かった。内容どうこう、勝敗どうこうでなく、初速もそう、当たりもそう。今のところ、だいぶいい感じで順調に来ているね」と、よどみなく答えた。

 7月3日で30歳になるため、今場所が20代最後の場所になる。これにも「ここからだと思っている。30を超えてからね。まあ、でも20代ではたくさん、いい思い出を作ってきたから、最後で一番いい思い出を作って、しっかり締めくくりたいね」と、成績次第では声もかかりそうな横綱昇進を意識したかのような言葉。さらに「もともと、晩成の家系だから。ここからだと思う。おやじも年を取ってから元気になってくる、みたいなね」と萩原家の一面? を明かした。

 今場所も白鵬戦がポイントになりそうだが、そこに水を向けられても「そこが直接対決だからね。しっかりやるだけ。(先場所の対戦時は)あの時点で他力本願。それではダメだから。まだ実力不足。駆け引きもそう、力もそう」と白鵬との差も冷静に分析。場所に臨むにあたり「いかにして集中できるか。どこかで油断したり、初日も千秋楽も1番は1番だから。今はしっかり実力をつけたい」と自信の表れなのか、いつになく多弁だった。