奇手の居反りを得意とする宇良(23=木瀬)が、鮮やかなピンク色の締め込みで新十両の土俵に上がる。夏場所(8日初日、両国国技館)へ向けて、4日は東京・墨田区の部屋で新しいまわしの感触を確かめた。

 稽古用の白まわしをつける関取衆の中で、宇良はひときわ目立っていた。腰に巻いていたのは、光沢のある桃色の新締め込み。「形をつけないといけないんで」と、本番に備えて稽古場で体になじませた。

 かつては関脇琴ノ若が、現在も十両剣翔が桃色系のまわしをつけているが、宇良の色はより淡く仕上がっている。個性派らしい選択と言えるが、実は子供のころから桃色が好みだった。母信子さん(49)は「私が赤やピンクが好きなんです。2つ上の娘にそんな色の服を着させていて(宇良)和輝も子供のころから着ていた」と懐かしがる。

 化粧まわしも3本そろい、晴れ舞台への準備は着々と整ってきた。この日は相撲を取らず、すり足やダンベル運動で汗を流した宇良は「初日に合わせて体を整えたい」とうなずいた。新十両の土俵に映える締め込みで、鮮やかな技を連発するつもりだ。