2敗同士のトップ対決で、東3枚目の千代の国(25=九重)が同13枚目の10代新十両佐藤(19=貴乃花)を突き出しで破り、十両の優勝争いで今場所初めて単独トップに立った。

 幕内8場所経験の意地は「多少です。いつも通り行きました」と気負うこともなかったようだが、突き放しから右の強烈な張り手1発で、怖いもの知らずの新十両をひるませ、何もさせず快勝した。

 幕下時代の昨年秋、九州と対戦し送り出し(●)、送り倒し(○)で1勝1敗。「あのころは絶対に負けられないと、勝手に自分を追い込んで駄目になった」という反省をもとに「今日は同じ十両、同じ星(での対戦)。持っているものをぶつけていこうと思った」と平常心で臨んだ。

 前頭8枚目まで出世しながら、両膝半月板損傷など度重なるケガで、三段目(西28枚目)まで落ちた。そこからはい上がって、来場所は返り入幕が確実。反骨心を秘めたイケメン力士は、千秋楽に勝つか、負けても佐藤も敗れれば、十両優勝を手土産に、1度は苦汁を飲んだ幕内の土俵に戻る。